フューチャリスト宣言
- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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梅田氏の「僕は最初、グーグルにやられてる感がありました。」は、この人でもそうだったんだな(梅田氏を詳しく存じているわけではないが)。グーグルに搾取される感は結構、普遍的にあるんだろうな。自分の心が狭い、後ろ向きなだけかと思ったが。
茂木氏の大学の話は、情報の発信・共有という点では確かにそうだろう。古い大学が残るというか、リアルなジャンルについてもより密度の濃いことができるようになって欲しい思いはある。情報発信と共有のスピード、密度が上がることで生まれる余裕をよりリアルを充実させる方向にもってくような。
自分は機械科の出身(その道には進まなかったが)で、学部時代には授業として必須でそれなりの機械実習があった。実務的な観点からみればお遊びのようなレベルだろうが、やってみて初めて分かることは多かったように思う。今、母校では機械科といえでも通り一遍の機械実習は無いと聞く。この話を聞いたときには、そんなんでいいのか?と思った覚えがある。一方で、この大学では学生が様々なプロジェクト(ソーラーカーなど)を企画(予算管理なども含めて)し、大学に認められれば、実行する機会が与えられる。この活動に携わる学生は当然、通り一遍の授業では得られない濃密な体験をすることになるはずだ。しかも自分が好きなことをやる。大学も限られた資源を、その意思のある人間に重点的に配分することができる。教育機関もいろいろ試みるのだろうが、リアルの技術への教育もがんばってほしいと思う。大学に限らず。リアルを底上げすることのほうがむしろ、これまでのシステムでは難しい部分が多いんじゃないだろうか(コンピュータ、ネットワークのコストが相対的に下がっていくはずなので)。
それにしても、お二人のエネルギー量・活動量・思考速度には恐れ入る。